熊本地震によるマクロ経済への影響分析

2016/06/28

平成28年熊本地震は、被災地に所在する企業のほか、被災地内に設備や工場を有する県外企業にも影響を与えている。被災地企業の取引先は全国で約3万1000社(※1)に上るうえ、県外企業が所有する被災地域の営業所・工場等の拠点は2065件(※2)あり、本社所在地は北海道から沖縄まで全国に広がる。そのようななかで、被災地の復旧・復興および日本経済の震災からの立ち直りに対する見通しも重要となる。 そこで、帝国データバンクでは、熊本地震がマクロ経済に与える影響について、過去の震災と比較・考察し、TDBマクロ経済予測モデルを用いて熊本地震がマクロ経済に与える影響を試算した。 ※1「熊本地震の現状と今後の復興に向けて」(帝国データバンク、2016年4月25日発表)を参照 ※2「熊本地震被災地域の営業所・工場等の立地状況調査」(帝国データバンク、2016年5月12日発表)を参照 分析結果 平成28年熊本地震による被害の大きかった熊本県と大分県の名目県内総生産(GRP)は、日本全体の1.9%(2013年度)を占めており、自動車工場の被災でサプライチェーンが大きく毀損した新潟県中越沖地震(2007年7月)の被災地となった新潟県と同程度 熊本地震では、九州自動車道の一部不通で生産された農産物の流通への打撃が懸念されるほか、電気製品に組み込まれる電子部品などの供給力低下は、企業がサプライチェーンを再構築するきっかけとなる可能性もある 過去の震災が日本経済に与えた影響では、東日本大震災を除き、発災の翌期にはプラス成長に転じており、とりわけ個人消費の回復がけん引してきた。しかし、過去の震災は日本経済が堅調に推移していたなかで発生していた。今回の熊本地震は、国内総生産(GDP)が過去8期中4期でマイナス成長を記録するなど、景気が停滞するなかで発生しており、影響は新潟県中越沖地震を上回る懸念もある TDBマクロ経済予測モデルによる見通しでは、日本銀行と政府による支援策で、震災からの復旧・復興に向けた環境が整いつつあり、住宅投資や公共投資の集中投下で2017年1〜3月期以降は過去の震災時と比較して堅調に推移すると予測される

分析調査 / 発表元[ 帝国データバンク::TDB Watching ]

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